この記事でわかること
- 環境に優しいスポンジの種類
- それぞれの特徴と用途
- 具体的なおすすめアイテム
環境に優しい素材で出来たスポンジも、意外と使い勝手が良いものがたくさん!
お掃除に向いていたり洗車に向いていたりと多様な使い方ができるので、是非ご自身の用途にあったスポンジを見つけてみてくださいね。
あわせて使いたい食器洗剤まとめ
一般的な市販スポンジについて
一般的なスポンジが環境に悪いと言われる理由

一般的なキッチンスポンジは、プラスチックでできている場合がほとんどです。
「プラスチック」と聞くと、ペットボトルなどの容器やレジ袋を思い浮かべるかもしれません。
でも実は、生活の至る所に意外なプラスチックが隠れています。
そのひとつがキッチンスポンジです。
よく見るスポンジと素材
スポンジの種類 | 素材 |
1層スポンジ | ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンなど |
2層スポンジ | 硬い部分:不織布(ナイロン・ポリエステル)、柔らかい部分:ウレタンフォーム |
ネットスポンジ | ネット:ナイロン、ポリエステル、アルミ蒸着ポリエステル、中身:ポリウレタンフォーム |
アクリルたわし | マイクロファイバー(繊維状のプラスチック) |
メラミンスポンジ | メラミン樹脂(プラスチック) |
このように、どこでも簡単に手に入るスポンジのほとんどは化学繊維で出来ています。
お値段もお手頃だし、ついつい買ってしまいますよね。
でも化学繊維で出来たスポンジは、最期に捨てる時だけではなく、使う度に環境へ負担をかけています。

お持ちのプラスチック製スポンジの表面をみてみてください。毛羽だったり、ボロッとなっていませんか...?
毎日小さなプラスチックを排出している証拠です。
これらのスポンジを構成しているプラスチック繊維は、洗い物をする度に少しずつ擦り減り下水道を流れていきます。
あまりに細かすぎて下水処理センターでも除去しきれず、そのまま海へ流れ出ていってしまうのです。
結果、その小さなプラスチックの破片を海洋生物が餌と区別できずに誤飲してしまいます。
そのお魚を最終的にいただくのは私たち人間です。
アクリルたわしもメラミンスポンジも、実はエコとは限らない


手作りのアクリルたわしが可愛い!と流行りましたよね。
器用な人は手編みで自分でも作れて愛着が湧くし、洗剤いらずで地球にも優しい!と使う人が増えました。
ですが、そもそもアクリル繊維とは繊維状のプラスチックであることを忘れてはいけません。
つまり、使う度に目には見えないマイクロプラスチックファイバーが下水を通って海へ流れ出しているのです。
マイクロファイバーとは
太さ8マイクロメートル以下の合成繊維を指します。髪の毛のおよそ1/10〜1/100ほどの超微細な繊維状プラスチックのこと。
いまは、アクリルたわしにかわってコットンたわしの時代。

今までアクリルたわしを作っていた方は、是非コットンで代用して作ってみてください! » コットンたわしの作り方
また、メラミンスポンジは超微細な合成繊維でできています。
こちらも洗剤要らずでエコ!と言われていました。
でも、使う度に細かく削れていって、最終的には全てが微細なマイクロプラスチックになって海洋ゴミへと変化してしまいます。
使い終わったら土に還る植物性繊維のスポンジと、どちらが本当にエコロジーか、考えてみましょう。
用途・素材別|環境に優しいスポンジの種類とオススメ

仮に用途別に分けてみましたが、それぞれにユニークな特徴があって一言ではくくれません!
興味があるスポンジの種類が見つかったら、是非積極的に調べてみてくださいね。
例えば、食器を傷つけないやさしい洗い心地「セルロース」と細かい繊維が汚れを絡めとる「へちま」のハイブリット型なんかもあります!
軽い汚れ・大切な食器に使いたいスポンジ
セルローススポンジ

セルロースとは木の端材から採れる繊維素のことです。
木材用として育てられた木は通常、幹の部分以外は捨てられてしまいます。
セルロースはこの本来捨てられてしまうはずの枝や葉、根っこの部分が原料になっています。

セルローススポンジは吸水性、速乾性に優れているのが特徴!
すぐ乾くので、雑菌が繁殖しにくく衛生的です。
また、とても柔らかい素材でデリケートな食器にも安心して使えます。
傷がつきにくいので、洗車用のスポンジとしてもおすすめです。
セルロースは油に強いという性質を持ってるので、キッチン周りの掃除アイテムにもぴったり!調理中に飛び散ってしまった油のお掃除に持っておきたいアイテムです。
やわらかいので食器の角にもフィットして洗いやすく、他の植物性素材のスポンジより泡立ちやすい物が多いです。
コスパ◎なセルローススポンジ
6個セットで、 1つ100円ちょっととお手頃価格!単色の素材感あふれる見た目もシンプルでお気に入り。
ECOCERT認証セルローススポンジ
フランスの自然派エコホームケアブランド、ル・シェンヌ・エ・ル・ロゾー。
国際的なエコサート認証を取得していたり、売上の1%を貧しい人々を支援するL’agence du Don en Nature(ラジャンス・デュ・ドン・エン・ナチュール)に寄付しています。
ECOCERT(エコサート)認証とは
資源を守ることや不要な廃棄物や排出物を減らすことを基本原則として、内容成分の95%以上が自然由来成分であること、製造プロセスが環境に配慮されているなどの厳しい基準をクリアした製品に与えられる認証。
またセルロースは 吸水性に長けているため、スポンジだけではなくキッチン周りのふきんとして使えるタイプも人気です。
便利なセルロースふきん
Amazonでレビュー2,000超えの人気商品。繰り返し使えて経済的。


コットンたわし(ふきん)

コットン(綿)の糸を編んでつくったスポンジです。
手軽に手作りできること、煮沸して除菌できるのが特徴です。
コットンの洋服やタオルなど、使い古した物を再利用すればさらにエコ!
表面が凸凹しているので、汚れをよく絡め取ってくれます。
さすがに油汚れとかは難しいですが、お米やお味噌汁を入れていた茶碗くらいだったら、お湯+コットンたわしで大丈夫です。

びわこふきん
日本独自の紡績方法ガラ紡という糸で織られた木綿の布です。
一昔前、琵琶湖の水質汚染が問題となった際、「洗剤を使わず、琵琶湖を汚さない」というコンセプトで開発されました。
Amazonでも購入できますが、定価の2〜3倍ほどの値段です!
こちらのショップ(lotusgranola)で税込500円程度で販売していますので、興味がある方は覗いてみてください。
送料込みでもこちらの方がお安いです!
コットンたわしを自分で編みたい方へ
「プラなし生活」さんが、YouTubeに「コットンたわしの作り方」をのせてくださってます。
自分で挑戦してみたい!と言う方は是非参考にしてみてください。
油汚れ・頑固な汚れに使いたいスポンジ
ヘチマスポンジ

ヘチマをそのまま乾燥させた天然繊維のスポンジ。
穴が空いていて見た目は蓮根みたいですが、この穴は種が入っていたところです。種をとってそのまま、自然のヘチマの形がナチュラルでかわいい。放置して自然乾燥させるだけで使えるので、自宅で育てて自分でつくる人もちらほら。(ヘチマ自体はとても育てやすい植物です。)
この細かい繊維が汚れをからめ取ってくれます!
また、吸水性があり、中央に穴が空いているため、筒状のヘチマスポンジをスライスして石鹸置きに使うとなかなか良いですよ!

ヘチマは乾燥すると硬くなるので、使う前に水やお湯でよく濡らし柔らかくしてからお使いください。
紐付きへちまスポンジ

乾燥させやすい紐つきがなおよし。15cmあるので、薄くカットして石鹸置きとしても使ってます。
【良いとこどり】セルロース・へちま
セルロースとへちまのハイブリット型スポンジ。食器を傷つけないやさしい洗い心地「セルロース」と細かい繊維が汚れを絡めとる「へちま」の良いとこどりです。

シュロたわし

棕櫚(シュロ)とは、ヤシ科の樹木。
シュロたわしは、シュロの幹を包む皮の部分から採取した繊維を使っています。
私たちが「たわし」と聞いて思い浮かべる一般的な硬いたわしは、ヤシの実(パーム)の繊維からできています。細かいザルの目の汚れを掻き出す時などは便利ですが、毎日のお皿洗いには固すぎて向いていませんよね。大切な食器を傷つけちゃいそう。
シュロたわしがパームたわしと違うのは、その柔軟性。
丈夫さは変わらないのに、しなやかで食器を傷つけることなく汚れを落とすことができます。
隙間にもよくフィットして毛先もしなるので、軽い力でも十分な洗浄力。繊維に植物性の油が多く含まれていて、水や汚れを弾いて衛生的です。

見た目に反してチクチクしないので驚き!
使い方色々!シュロたわし



サイザル麻たわし(ブラシ)

サイザル麻はとても強い繊維植物。見た目は巨大なアロエのようで、なかなかインパクト大。
(サイザル「麻」と呼ばれますが、実は麻の仲間ではありません。リュウゼツラン科の植物から取れる繊維のことです。素材として優れていて歴史的に長く使われてきた麻にあやかって「サイザル麻」と呼ばれるようになったのですが...なんだかややこしいですね。)
水を弾くので、スポンジを使いたくないカレーやミートソースなどの汚れも、少量の洗剤で落としてくれますよ。
手に馴染むやわらかさですが、水に濡らすとさらにふわっとなります。
使い方色々!シュロたわし



持ち手が竹で出来ていて、木よりも吸水性が低いので長持ちします。いつもシンク周りの掃除用品の置き場に困っていたので、置き場付きはありがたい!
麻スポンジ(たわし)

麻スポンジは、麻の紐をスポンジ(たわし)状に成形したものです。
麻は、その育ちやすさや成長の速さ、丈夫で柔軟性にすぐれた性質から、昔から広く栽培されてきました。(農薬もいりません!)
丈夫でコシのある繊維なので、洗剤なしでも油汚れを落とすことができます。
麻は消臭性、抗菌性が高く、吸水性にも優れています。

初めは硬いので、しっかり水につけてから使ってくださいね。使っていくと、どんどん馴染んでいきます。
こびりついた汚れ・掃除用に使いたいスポンジ
カルカヤたわし

刈萱(かるかや)というイネ科の植物の根っこを束ねて棒状にしたたわし。
しなりの強い枝のような素材で、水とお湯だけで汚れをしっかりかき出してくれるアイテムです。(乾燥すると折れやすいので水に濡らして使ってください)スキレットのこびりつきにも。
油を吸収しないので、油汚れなど頑固な汚れにとても強いです。
さらに天然の繊維は適度な油分を含んでいるので水をはじき、すぐに乾き衛生的。そのままでもOKですが、吊るして乾燥させるとさらに長持ちします。ときどき天日干しして日光消毒するとなおよし。
先端が削れてきたら、ステンレスの輪っかを外してください。

銅たわし

細長い銅を丸めた銅たわし。
研磨力が優れているので、食器洗いというよりお掃除用として活躍します。
焦げ付きや茶渋を、漂白剤などのケミカルな洗剤なしで落とせる優れもの!漂白剤を使うと換気もしなきゃならないし、周りに置いてあるものにも気をつけなきゃいけないので、銅たわしや銅クロスひとつで汚れを落とせると便利ですよね。
銅は金属の中でも柔らかいので、意外に優しい肌触り。ガラス、ステンレス製品にも使用可能です。
また、とにかく衛生面に優れているのが特徴!
銅には殺菌・抗菌作用もあり、細菌の繁殖を防いでくれます。
なので、匂いが気になりがちなキッチン周りの掃除に最適です。
銅は、「微量金属作用(銅イオン作用)」という、水と混ざることで殺菌作用を発揮する性質をもっています。
最後は排水溝へ!

使い続けて形が崩れてきたら、排水口にいれるなどして再利用してみてくださいね。

排水溝や加湿器のタンク用に入れると、ぬるぬる知らず、効果抜群!
アルミホイルを丸めて排水溝に入れてましたが、銅たわしもかなり効果てきめん。
細かい場所も掴みやすい!

こちらはクロスなので魚焼きグリルの網なども掴みやすく、お掃除向きです。
洗濯ネットにいれれば洗濯機で洗えますよ。
変色してきても大丈夫?
時間が経つと酸化して黒くなってきますが、お酢をかければ元通り。変色自体は無害であると言われています。
銅は使っていくと茶色や黒色に変色していきます。さらにお手入れによっては青緑っぽい色になる場合がありますが、無害です。緑青(ろくしょう)と呼ばれるもので、衛生的に問題はありません。緑青については、「日本銅センター」のQ&Aをご確認ください。
*テフロン加工や類似の加工が施されている製品には使用しないでください。
まとめ|環境に優しいスポンジで脱プラスチック
いかがでしたか?
毎日の用途に合わせて、お気に入りのスポンジを見つけてみてください。
まとめ
- 普段使い=セルローススポンジ、綿ふきん
- 油汚れ=ヘチマスポンジ、シュロたわし、サイザル麻たわし、麻スポンジ
- 頑固な汚れ、掃除用=カルカヤたわし、銅たわし
形が崩れたスポンジはお掃除用にするなど、繰り返し使っていくよう心がけましょう!
毎日使うスポンジを環境に配慮した素材のものに変えることで、キッチンからサステナブルを実践してみませんか?
一緒に使いたい食器用洗剤