この記事では、ヤシノミ洗剤(野菜・食器用)の危険性・巷の口コミ・実際に使ってみた感想を紹介しています。
見落としがちな注意点に加えて、実際の使い心地(容器、泡立ち・泡切れ、汚れ落ち、香り、手肌への優しさなど)について触れています。気になる方は是非参考にしてみてください。
※結論、買うならATTITUDEかシャボン玉石けんがオススメです。以下で使って良かった食器洗剤をランキング形式で紹介していますので、気になる方は見てみてください。
ヤシノミ洗剤が危険と言われている理由
ヤシノミ洗剤は、洗浄成分をヤシの実から抽出している台所用洗剤です。パッケージに「手肌と地球にやさしい」と書いてありますので、なんとなくヤシノミ洗剤を選んでいるという方も多いかもしれません。

ですが、検索候補で「ヤシノミ洗剤 危険」なんて出てきて不安になった方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では「ヤシノミ洗剤は安全ではない」と言われている理由と、使ってみた率直な感想を紹介します。
過去にパーム油の生産をめぐって非難された(改良済)
ヤシノミ洗剤が一部でマイナスイメージを持たれている理由の一つとして、原料(パーム油)の生産過程が熱帯雨林の破壊につながっているとメディアで取り上げられたことが大きいのではと思います。ちなみにこれは今では改善されました。
そもそも事実、ヤシの栽培は環境破壊と大きく結びついている場合があります。
パーム油と環境破壊の関係
食品業界をはじめとした大きなマーケットを持ち、高い需要のあるパーム油(ヤシの実から採れる油)。その消費は、熱帯雨林の破壊などに密接に関わっています。アブラヤシ農園を拡大させるために熱帯林がどんどん伐採されて、そこに生息する生き物たちや先住民の居住区を奪っていると近年問題になっているのです。
ただし、パーム油を全て他の植物性油に代替することはかえって環境破壊を加速させる可能性もあると言われており、パーム油=悪とするのは間違っているというのが通説。より正しい方法でパーム油を消費していくことが方法が模索されています。
そして、ヤシノミ洗剤も例外ではありません。

サラヤはこの一件以降、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議:Roundtable on Sustainable Palm Oil)に加盟し、パーム油が無理なく供給されるよう努めています。日本籍企業としての参加は、当時サラヤが初めてだったそうです。
環境保全への取り組みは認証マークとしてパッケージにも記載されています。この点において、以前避難されていた「環境破壊」という観点に関しては今は改善されています。
【注意】ヤシノミを使っていても「合成洗剤」である
考えられる2つ目の理由です。
「洗浄成分ヤシノミ原料」と書かれていることから、ヤシノミ洗剤はいわゆる「植物性界面活性剤」を用いた商品だと思っていませんか?

ヤシノミ洗剤はパーム油を化学合成して製造された合成洗剤です
「成分欄」を見てみましょう。界面活性剤(16%、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、脂肪酸アルカノールアミド)とあります。

このアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムという界面活性剤には石油由来の原料も含まれています。一部ヤシの実を原料としているものの、いわゆる合成界面活性剤にあたるわけです。画像の品名部分にもはっきりと「台所用合成洗剤」と表記されています。
洗剤の選び方は自由ですが、植物性界面活性剤ではありませんので、その辺りを理解して購入しましょう。以下の記事では、合成界面活性剤と植物性界面活性剤についても触れています。
また、実際に使って良かった「環境と手肌に優しい食器用洗剤」をランキング形式で紹介していますので、是非参考にしてみてください。
ヤシノミ洗剤が「手肌と地球にやさしい」点
じゃあヤシノミ洗剤のパッケージに書かれた「手肌と環境にやさしい」とは一体どんな点なのか?ですが、
- 無香料・無着色
- 皮膚刺激テスト済み
- 持続可能なパーム油生産
といったところでしょうか。
たしかに、香料や着色料など添加物を使っていない点は低刺激だと言えます。
また、全ての人にトラブルが起きないとは限りませんが、皮膚刺激テストを実施しています。「手肌へのやさしさ」と「洗浄力」のバランスを追求した結果、洗浄成分の濃度を16%にしているそう。実際、手肌が荒れないという口コミは多いのも事実です。
ヤシノミ洗剤の口コミ

巷では、以下のような口コミが目立ちました(参考|Amazonレビュー)
特に気になった口コミ
- 洗浄力は低く、頑固な油汚れには向かない
- 泡立ち控えめだが、泡切れが良く使いやすい
- 手荒れしない
- インテリアを邪魔しないボトルが気に入っている
ポンプが壊れやすい、液漏れしてベタベタするという口コミが多くみられました。一方で、他のエコ洗剤と比較して「手が荒れない」という口コミが目立ちます。他の容器に入れ替えるなどして使用すれば、肌が敏感な人にはおすすめの食器用洗剤かもしれません。
ヤシノミ洗剤を使った感想
この冬に突然アトピーを発症してしまった母が買っていたようなので、使ってみました。合成洗剤だ!とか言って使わないで捨てたらそれこそサステナビリティに反しますもんね。
容器の使いやすさ

容器の使いやすさ
(私はこの引っ張り上げるタイプ?の容器が好きですが、ポンプ式ボトルもあるので好きな方を選べます。)
Frosch(フロッシュ)やシャボン玉せっけんと同じ、上部を引っ張るタイプ。カチッとした蓋じゃないので開け閉めが楽々なのがお気に入り。洗剤はこのタイプが好き。

サイズも500mlと適当。Frosch(300ml)のように小ぶりすぎないのですぐなくなったりせず、AttitudeやECOVERのように大きくないので片手で持ちやすい◎
ボトルの硬さも程よく、洗剤を出しすぎてしまうこともありません。余計な力もいらず、片手でサッと出すことができます。
泡立ち・泡切れ

泡立ち・泡切れ
泡立ちはよくありません。
他のエシカルな食器用洗剤と比べても泡立ちはかなり控えめです。ただ洗った後はちゃんとキュッとしていたりする(泡切れもいい)ので、洗い上がりの感じはそこまで気にはならないです。
ただし泡持ちが悪くて結構洗剤を使ってしまうのでコスパはそんなに良くない印象。この点は微妙でした。
洗い上がり
洗い上がり
泡がへたりやすい場合、汚れ落ちも微妙な場合が多いのですが、ヤシノミ洗剤は洗い上がりはかなりスッキリサラサラしていて良かったです。
植物性油なら全然大丈夫ですが、動物性のしつこい油は2度洗いしないと気になる時があります。洗剤の量を多めに使う必要があるかもしれません。
どの洗剤でも同じですが、一度キッチンペーパーで拭き取ってから洗えば大抵の汚れは問題なく落ちますよ。カレーの後のお皿も、匂い残りありませんでした。冬場でお湯を浸かっているとやはり汚れが落ちやすいですね。
香り
香り
石油系の匂いもせず良いです。無香料ですので、食器に変な香りが残ることもありません。
香料ありが好きな方は、FroschのアロエヴェラやATTITUDEのシトラスゼストがすっきり爽やかでおすすめです。
手肌への優しさ
手肌への優しさ
私は素手で使いましたが、数回使うと肌がつっぱる、ささくれができる、と感じました。乾燥はしますが、洗浄力重視の洗剤に比べればずっと楽です。
正直sonettを使った時の方が肌のピリつき感はありましたし、ヤシノミ洗剤で肌が荒れる、痛くなるということはなかったので普通(星3)にしています。
(母は超肌荒れ状態なので素手では触っていません...。手袋して洗い物している。)
【まとめ】ヤシノミ食器用洗剤の総合評価
総合評価
容器の使いやすさ | |
泡立ち・泡切れ | |
汚れ落ち | |
香り | |
手肌への優しさ |

いかがでしたか?
ヤシノミ洗剤は無香料無着色でヤシノミ原料を使ってはいますが、合成洗剤です。
それを踏まえた上で実際に使ってみた感想を書いてみました。
良かった点
- ボトルの大きさ・デザイン・柔らかさ・出し口すべて使いやすい。
- 洗い上がりはサラッとしていて満足。
気になった点
- 泡立ち・泡持ちが悪い。
総合的な感想としては、容器にストレスがない点、洗い上がりに不満がない点を考えれば、普段使いとして使い心地は良かったです。
とはいえ合成洗剤ですので、買うならATTITUDEかシャボン玉石けんですね。