最近よく聞く「エシカル消費」という言葉。
具体的にどんな消費・製品があるのか、ご存じですか?
この記事では、5つのエシカル消費を紹介しています。
- オーガニック
- リサイクル・アップサイクル
- クルエルティーフリー
- 食品ロス削減
- フェアトレード
それぞれのカテゴリーごとに代表的な企業を取り上げたので、エシカル消費の参考にしてみてくださいね。
エシカル消費とは?
エシカル(ethical)とは、直訳すると「倫理的」「道徳的」という意味。
「エシカル消費」とは、人として守るべき基準にのっとって商品を選択し消費していくことを指します。
倫理的な消費と言い換えると、想像しやすいですね
動物の毛皮を使っていないファッションを選ぶ、働く人の権利がきちんと尊重されている労働環境で生産された商品を選ぶ、などの消費がわかりやすいかもしれません。
私たちがエシカルな商品を選び、消費していくことは、より良い世界を目指す持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)のうち12番目の「つくる責任&つかう責任」を果たすことになります。
現在では個人でも様々な形で「エシカル消費」することが可能です。
この記事では、エシカル消費の種類と具体例となる会社を簡単に取り上げています。
エシカル消費① オーガニック
オーガニック製品・食品とは?
オーガニックとは、化学肥料や農薬を使用せずにつくられたものを指します。
土壌を汚染せず、働く人・食べる人の健康を守るという意味でエシカル消費の一つだと言えるでしょう。安く、虫がついていない「綺麗」な野菜は、目に見えなくとも農薬がたっぷりと染み込んでいると言われています。毎日食べるものは、自分自身や大切な家族の体に蓄積されていきます。
将来のためにも、環境と体にもいい食品を選びましょう。
天衣無縫|オーガニックコットンを通して自然環境や労働環境を守る
天衣無縫は、日本でオーガニックコットンの製造・販売をいち早く始めたアパレルブランド。
通常のコットン生産の場で問題視されているのが、農薬や殺虫剤の使用です。土壌に染み込み、誤った散布方法で広範囲に広がり、現地の人たちの健康を脅かしています。農薬・化学肥料を使わず有機肥料を用いて育てるオーガニックコットンを使用していくことが、この現状を変えていく足掛かりになります。
でも、国内で使用されている綿はほとんど輸入に頼っているのが現状です。天衣無縫でも主にアメリカやインド、季節によってはトルコの認証取得済みのオーガニックコットンを使用していますが、最終的には国内で綿花を育てることを目指しているそう。
▼ オーガニック製品の選び方やオススメの商品については、以下の記事でも解説しています。
大地を守る会|有機農産物や無農薬惣菜などの食材配達パイオニア
農薬や化学肥料によって効率的に生産されるようになった野菜のうらで、日本でも多くの生態系が失われてきました。
「大地を守る会」は、1975年の設立当初から、自然共生型の第一次産による持続可能な社会を目指しています。
エシカル消費② リサイクル・アップサイクル
アップサイクルとは?
アップサイクル(Upcycle)という言葉をご存じでしょうか?
リサイクルと似た響きですが、意味は少し異なります。
本来ならそのまま捨てられてしまう廃材や布切れ、使用済みのプラスチックなどの材料に新たな価値を与え、魅力的な商品に生まれ変わらせることを「アップサイクル」と呼びます。
このアップサイクルによって生まれた商品は、大量生産とは違い独創的で1点もののアイテムが多いため、ひとつのものを長く愛着を持って使うという大切な姿勢を思い出させてくれますよ。
gleam|廃材が家具に生まれ変わる
「gleam」は、使われなくなった廃材を家具に生まれ変わらせるインテリアショップ。
船や民家の材料として長く使われてきた材料にはそれぞれの物語があり、新たにアップサイクルされた家具にも深い味わいを感じます。既存の商品からセミオーダー・フルオーダーまで対応していて、自分だけの1点ものを長く使う大切さに気づくことができるはず。
PLAGLA(プラグラ)|ペットボトルがメガネに生まれ変わる
プラスチック×グラス(眼鏡)=プラグラ!
国内の特殊なリサイクル技術と”めがねのまち”福井県鯖江市の工場の確かな技術が融合し、今までにない製法でつくられたアイウェアブランド。すぐに捨てられてしまうペットボトル2本分が、長く愛用できるメガネに変身。
さらに、売上の一部は公益財団法人「海の羽根募金」に寄付され、全国の海岸清掃や保全活動の費用として使われます。商品の購入を通して、自然環境を守る支援に参加することができます。
エシカル消費③ 動物実験フリー(クルエルティーフリー)
クルエルティーフリーとは?
クルエルティー(Crualty)は、直訳すると「残酷さ」。
クルエルティーフリーの商品とは、製造の過程において動物を殺傷していない、動物実験をしていないものを指します。
わかりやすい例は、毛皮などを使用しないアパレルブランドですね。最近では多くのハイファッションブランドが、毛皮やクロコダイル革など動物の革を使った製品を取り扱わないと表明を出しています。
クルエルティーフリーという記載のない化粧品が生まれる過程では、その安全性を試すためにラットやモルモットなどが実験台になっている可能性があります。
安全テストが終わると、これらの動物たちは殺処分されてしまうのです。
Stella McCartney|設立当初から皮革・毛皮の使用は一切なし
2001年設立当初より、レザー、毛皮、皮革、羽毛、動物由来の接着剤(ニカワ)を一切使用していない「Stella McCartney」。
デザイナーのステラ・マッカートニー自身が、幼少の頃から動物愛護や環境問題に関心を持っていたことから、早い時期からサステナビリティに対して高い責任意識を持っています。
LUSH|「No!動物実験」の先駆者
ハンドメイドコスメを取り扱うLUSHは、2007年6月1日以降、動物実験の実施や委託、または関与が判明した生産者や取引先からは原材料を購入しない方針を掲げています。
カラフルで楽しいバスアイテムで日本にも多くの店舗があるLUSHですが、実は15年ほど前から「No!動物実験」の声を上げ続けているんです!100%の商品が、動物ではなく人間の肌によって安全性が確認されています。
これは私たち自身にとっても大切なこと。
動物実験の結果は、人体への影響を図るにはあまり参考にならないケースが多々ある、という点が問題視されているからです。(参考)
LUSHは、会社のポリシーという範疇を超えて動物実験廃止のロビー運動を行い、人・動物・自然環境がハッピーに共存できる持続的な社会をつくることを信念とした企業と言えます。
エシカル消費④ フードロス削減
いまいちど家庭のフードロスについて考えてみよう
日本人1人あたりの年間フードロス量は約45kgにものぼります。
飲食店やコンビニ、スーパーで捨てられてしまうものが多くを占めてるんじゃ?
そう思うかもしれません。
でも、実際のフードロス内訳は...
家庭の食品ロス46%、事業主の食品ロス54%と、かなり競り合っているんです。(参考:農林水産省)
冷蔵庫の中に忘れ去られた食材、ないですか?
スーパーで食材を買うときは賞味期限の近いものを選ぶ、など個人ができることから取り組んでいきましょう。
家庭でのロスを減らすには、食材の管理も大切ですね。
▼ フードロス削減アプリ「Let」をレビューしているので、よろしければどうぞ。
FOOD TEXTILE|廃棄食材で染め上げる
食品ロス削減といっても、方法は様々!
なかでも、アパレル業界のアプローチとして注目されているのが「フードテキスタイル」。本来廃棄されてしまうはずの食材で染め上げた商品を提供するプロジェクトです。フードテキスタイルでは、大手食品メーカーや飲食チェーン、農園などから引き取った食品を利用しています。
食材本来のやさしい色合いが特徴で、食材ごとにどんな色に染め上がるかを確認することができるので楽しい!さらにエキナセアやコーヒーを使用したアイテムには、抗菌・消臭効果と嬉しい効果も!
まさに自然の恵みですね。
パートナー企業は、「フードテキスタイル」の公式ウェブサイトで確認できますよ。
エシカル消費⑤ フェアトレード
フェアトレードとは?
「フェアトレード」という言葉は、コーヒーやチョコレートのパッケージなどでよく見かけるかもしれません。
フェアトレードは直訳で「公平な貿易」という意味。生産者や労働者の働く環境や生活を整え、自立を目指す貿易のあり方を指します。
世の中にある「安い」商品の多くは、開発途上国で働く多くの人の犠牲の上に成り立っていることも少なくありません。
不当に安い賃金と劣悪な労働環境での生活を余儀なくされたり、生産性をあげるために農薬や化学肥料を使用して働く人の健康に害を及ぼしているケースもあります。
▼ 生産者の労働環境を考慮したフェアトレードチョコレートに興味がある方は、以下にまとめていますのでよろしけてばどうぞ。
イオン|意外と身近にある国際フェアトレード認証
イオンのプライベートブランド「TOPVALUE」(トップバリュ)には「トップバリュグリーンアイ」という展開があるのをご存じですか?
持続可能な社会に繋がる商品づくりをしているブランド展開です。例えば以下のコーヒーやチョコレートには、しっかりと「国際フェアトレード認証ラベル」(※)が表示されています。
国際フェアトレード認証ラベル
原料の生産〜輸出入、加工、製造という工程を経て「フェアトレード認証製品」として完成品となるまでの各工程において、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)が定めた基準が守られている事を証明しています。
まとめ|エシカル消費の意味と代表例
いかがでしたか?
生産から販売工程において、人や動物、自然環境にどのような配慮がなされているのか把握すること、また購入することによって環境・社会問題に対して自分がどのように貢献できるのかを私たち自身が把握することが大切。
ただ安ければいい...ではなく、より良い社会のためにエシカルな選択を初めていきましょう!