本記事の内容
- サステナブルシーフードの意味
- サステナブルシーフードの証「MSC認証」と「ASC認証」
- サステナブルシーフードを食べられるレストラン紹介
- 海のフードロスに取り組むサービス紹介
本記事では、サステナブルシーフードの意味から、安心の認証マーク、対象のレストランやサービスを紹介しています。
サステナブルシーフードを積極的に選んで、限りある海洋資源を大切にしていきませんか?
現代漁業が抱える問題
海の生態系にとって大きな脅威となっているのが、増え続ける人類の食生活を満たすための乱獲です。
国連によると世界の漁場の4分の3は乱獲による影響を受けていると言われています
1キロの魚を釣るごとに、5キロもの "不要な" 動物(イルカやクジラ、ウミガメやサメなど)も"ついでに" 捕まえられて無駄に殺されているそう。
そうして数が少なくなり種が絶滅するとどうなるでしょう。。
漁業は代わりになる魚を乱獲しはじめ、絶滅の連鎖が起きてしまうのです。
また気候変動等も海の生態系へ深刻な影響を与えています。
このように乱獲や気候変動によって海洋資源の数が減少しているのにもかかわらず、世界人口は増えるばかり。需要と供給のバランスがどんどん崩れていっている現実に直面しています。
サステナブルシーフードとは?
サステナブルシーフードとは、この先も私たちがお魚をいただくことができるよう、持続可能な漁業で採られた水産物のこと。
サステナブルシーフードは、SDGsの14個目の目標「海の豊かさを守ろう」を達成する上でも大切な要素です。私たちは減り続ける海洋資源を守るために、漁獲量を管理し調整する義務があります。
将来もお魚を食べ続けていくことができるように、水産資源や環境に配慮し適切に管理されたMSC認証を取得した漁業で獲られた水産物、あるいは環境と社会への影響を最小限に抑えたASC認証を取得した養殖場で育てられた水産物を「サステナブル・シーフード」といいます。
MSC
サステナブルシーフードはどうやって選べばいい?
MSC認証|持続可能な漁業で採られた天然水産物の証
MSC認証=持続可能な漁業で採られた水産物の認証ラベル
MSCとは、国際的な非営利団体である海洋管理協議会(Marine Stewardship Council)の略称です。
MSCが「厳正な環境規格をクリアした漁業で獲られた水産物」に付与するMSC認証ラベルは、私たち消費者がサステナブルシーフードを選ぶ際のひとつの指標になります。
MSCが定めた原則は以下の通りです。
健全な状態にある水産資源のみを漁獲し、長期にわたって漁獲することができるように水産資源の適切な管理を行い、ほかの種や広域な生態系への影響を最小限に抑えること
MSC
MSC認証ラベルのお魚は、日本でもイオンをはじめとしたスーパーなどに陳列されるなど、市場を拡大しています。
ヨーロッパではなんと10年以上前から、すべてのマクドナルドでMSC認証のお魚が提供されています。(参考)
サプライチェーン(※)事業者向けのMSC CoC認証規格取得企業を国内で検索にかけると6000近くヒットします。筆者も検索してみましたが、スーパーやレストランなどふくめ身の回りのお店がかなりヒットしてびっくり!都道府県別に探すことができるので、是非お住まいの地域で探してみてくださいね。※製品の原材料や部品の調達・生産・加工・流通・消費からなる、商品供給の流れのこと。
\近くのサステナブルシーフードを探す/
ASCロゴ|責任ある養殖による水産物の証
ASCロゴ=責任ある養殖によって生産された水産物の認証ロゴ
一方でASCは、国際的非営利団体・水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)の略称です。
ASCのロゴは、水産物がきちんと管理された養殖によるものであると同時に、働く人の権利や地域社会への配慮を保証した認証でもあります。
MSC・ASC認証の水産物は加工・流通の経路が明確なので、日々の食卓にあげても安心。
サステナブルシーフードが食べられるレストラン
【原宿】Sincere Blue
Sincere Blueは2020年9月に原宿でオープンした、ビュッフェスタイルの本格フレンチ。ミシュランガイド東京で一つ星を獲得したフレンチSincereが有名ですが、よりカジュアルに楽しんでほしい!という想いのもとスタートしました。サステナブルシーフードを使った料理を中心としています。» 公式Facebook
【大森|品川】大森海岸 松乃鮨
100年以上続く、老舗の高級鮨屋。日本の老舗鮨店で初めてCoC認証取得しており、いち早く世界基準のサステナブル精神を実践してきました。
また、資源量が比較的豊富な天然海産物(ブルーシーフード)の寿司BOXを用意しています。» 公式サイト
【全国各店舗】IKEA スウェーデンレストラン
イケアで扱っている天然の魚介類はいずれもMSCの基準に従って個別に認証された漁場で獲れたもの。また、サーモンはすべて、ASCの認証を受けた養殖場から仕入れています。プラントボールやベジチーズなど植物由来のヴィーガンメニューも充実していて、地球環境に配慮した料理が楽しめます。※お店によって限定メニューあり。
【神奈川5店】きじま
高級感あふれる内装で、落ち着いたお食事を楽しめる和食料理店。MSC認証・ASC認証を取得した水産物を使用する以外にも、化学調味料の不使用、オーガニック食材の利用促進や合成界面活性剤の不使用など、安心安全の食への取り組みを行なっています。» きじま公式
サステナブルシーフードを選択する以外にできること
フードロスの現状
サステナブルラベル認証のお魚をいただくという以外に、フードロス削減の取り組みをしているお店やサービスを利用する、というのもサステナブルな選択のひとつ。
現在世界では、食糧生産量のうち三分の一(約13億トン!)が廃毎年棄されています。
フードロスの問題は、持続可能な社会を目指す上で、特に早急に対応しなければならない問題です。
それなのに、世界では9人に1人が栄養不足と言われています
日本国内におけるフードロスの現状はどうでしょうか?
令和元年度の日本国内の食品廃棄量はおよそ570万トンにも及びます。
これは、国民1人1人が毎日お茶碗1杯分のご飯を捨てているのと同じ量です。
参考|農林水産省
規格外のものや、コンビニの売れ残り、飲食店の食べ残しや家庭で作りすぎた料理、などフードロスといっても、中には味や質に問題がないのに捨てられてしまうものもたくさんあります。
イベントごとの食べ物(クリスマスケーキや恵方巻きなど)はその時期を過ぎると捨てられてしまうことがありますよね。
さらに、新型コロナウイルスの流行による客足減少や時短営業によって新たなフードロスも生まれているんです。
そのような「もったいない」を減らすため、本来なら廃棄されるはずの食材を利用したサービスやお店が増えています。
そんなサービスを利用することも、サステナブルシーフードと同じくらい大切なことです。
▼ 食品ロス削減アプリ「Let」をレビューしています。
フードロス削減に取り組む注目のお店をご紹介します。
海のフードロスを救う!サステナブルなサービス
Fishlle!(フィシュル)フードロスを削減するサステナブルなお魚サービス
Fishlle!(フィシュル)は、質や味とは関係ない様々な理由で捨てられてしまう魚を有効活用したお魚の「お任せ便」サービスです。
多数のメディアで紹介されている話題のサービスなんですよ。
サイズが不揃い、加工しにくい、水揚げ量が少なくて出荷できない、などの理由で廃棄されてしまうお魚と向き合い、おいしく食べられるよう調理しています。獲れたその日のうちに味付けし瞬間冷凍しているため、新鮮な状態で買い手に届けることが可能!
1人前1パックになっていてサイズもコンパクト。すでに下味がついているので、調理時間の節約にもなります。
また、お魚は全て天然国産かつ着色料保存料無添加で安心。届けてもらう魚は市場に出回らないものが多いので、自分ではなかなか手に入れられない魚を試せるのも◎
サステナブルなラーメン屋さん「炭火焼濃厚中華そば 海富道」 (神田)
2021年5月にオープンした神田駅徒歩1分のラーメン屋さん「炭火焼濃厚中華そば 海富道(しーふーどう)」。
「海の富を余すことなく活かす道」をコンセプトにしています。
通常の魚にくわえて、食べられるのに捨てられてしまう部位や未使用魚を丸ごと炭火焼きにしてペーストにした濃厚スープが特徴!「飲める焼き魚」として話題になりました。焼き魚ペースト&アゴだしベースのスープとストレート麺の組み合わせが◎
サステナブルシーフードとは持続可能な漁業で採られた水産物のこと
サステナブルシーフードをいただくことができるお店の他にも、もったいない魚たちを使った海のフードロス削減サービスも紹介しました。普段の生活の中で認証ラベルを気にかけ、サステナブルシーフードを積極的に選ぶことで、限りある海洋資源を大切にしていきましょう!
▼ こちらの記事では、環境にも自分の身体にもやさしいサステナブルなスイーツをまとめています。
また、食べ物以外にも「サステナブル」なアイテムはたくさんあります。
▼ 知れば知るほど使いたくなる「サステナブル素材」については、以下の記事で取り上げていますので興味のある方は見てみてくださいね。